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店舗向けO2Oの事例 Cardfeel(カードフィール)

O2OとはOnline to Offlineの略で、ネットでクーポンなどの広告で来店を促す施策のことを指すのですが、もはやネットには多数の情報が溢れているため、通常の手段では大きな成果を期待できないのが難しいところです。かといって多大な割引をクーポンに設定する差別化では店舗が疲弊してしまいます。

私たちの提供するサービスCardfeel(カードフィール)では、得意客に着目しました。儲かっている店舗は、相当以上に立地が良いなどの好条件がない限り、決まって得意客が多いのではないかと思います。

店舗が得意客を獲得するには、その店舗と相性の良いお客様に繰り返し来て頂くことが必要で、その繰り返しの来店のなかでお店のサービスが気に入った客が本当の得意客になるのは明らかです。

一度来店してある程度店舗を気に入っても、放っておくとその記憶はだんだん薄れていくので、どこかで思い出してもらう必要があります。一度来店したお客様に、店舗のおすすめサービスや商品を紹介できたら、それを良いと思うお客様の再来店の確立が高まるのです。

そこでcardfeelではお客様のスマホアプリにポイントカード機能を用意し、ポイントカードのメリットにより、アプリを来店客にインストールして頂き、アプリにお知らせやクーポンを送る仕掛けを実装しました。

この仕掛けのうち、お知らせやクーポンを送る部分については、3年ほど前に携帯会員サービスとして流行した仕掛けと似ていますが、Cardfeelでは、携帯会員サービスの最大の欠陥を回避して実装しています。

その欠陥とはお知らせやクーポンをメールで送信していることです。メールはお客様がプライベート目的で利用していることが多く、店舗からのメールは迷惑と感じやすいのです。この頃から、お客様はメールアドレスを店舗に教えなくなってしまいました。

Cardfeelではメールアドレスをはじめとするお客様の個人情報の登録を不要としました。アプリがサーバーにアプリのユニークなキーを自動登録しておくことで、お知らせやクーポンはメールを使わずにアプリに届きます。

お客様にはスマートフォンがポイントカードになることで、財布をかさばらせることなくポイントカードを持ち歩くことができるようになるメリットがあり、店舗にはお客さまが自店舗のポイントカードを持ち歩いてもらうメリットに加え、お客様にメッセージを送るメリットが得られることになります。

このメッセージ機能では割引率の高いクーポンを送ることもできますが、新商品の入荷や人気のサービス紹介など、相性のよいお客様に響くお知らせを送ることも効果が高いと考えています。得意客が出来るのは「お得」より、「店舗とお客様の相性の良さ」が決めてになるからです。つまり、店舗の人気サービスの紹介が相性の良いお客様を探すことになるのです。

CardfeelはOffline(実店舗への来店)からスタート(ポイントサービスの提供)して、Online(スマホアプリのお知らせやクーポン)で再来を促し、Offline(お客様の再来)によって得意客を増やすための補助ツールと考えるのが妥当で、このモデルはOffline to Online to Offline、つまり「O2O」の変則形「O2O2O」なのだと思います。

ネットやアプリはあくまで手段であり、得意客を作る最も大事な要素は店舗のサービスそのものだと思うのです。私たちは出来る限りの知恵で、店舗の努力を補助する仕掛けを提供しようと思います。


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プロフィール

山口達雄
山口達雄

SIerの社長ブログへようこそ。大規模システム開発のプロマネから、OSネイティブなプログラミングまでこなす現役エンジニアです。

SIerとは:「エスアイヤー」と読みます。情報システム開発において、コンサルティングから設計・開発・保守まで一貫したサービスを個別企業のお客様に提供する会社のことです。


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