5月17日にポイントシステムCardfeelのリニューアル版をリリースしました。
※画像はCardfeelエンタープライズプランのWebサイトです
私たちは「プロダクト(ソフトウェア製品)の開発・運営」と「受託システム開発・運用」の両方の事業を並行して行っているのですが、プロダクトと受託システムの両方とも1つ1つ「渾身の作」を目指して本気で開発しています。このCardfeelも「渾身の作」です。
Cardfeelは受託システム開発を含めて私たちにとって最大級のシステムです。たとえばデータベースのテーブルは適切に設計した状態(つまり無駄にテーブルを増やしていない設計)で72テーブル。項目数は合計で1,000を超えます。開発は3年超、旧バージョンからの移行やリリース準備を含めると丸4年の期間を掛けました。
私たちはCardfeelのリニューアルにあたり、過去数年にわたるCardfeelの前バージョンの開発・運営や、大手ポイント事業者様から受託したポイントシステムのエンジン部分の開発、多数の企業様から受託したアプリ開発などで学んだことを踏まえ、ポイントシステムのあるべき姿を追求し一から設計・実装しました。
Cardfeelがどのように「渾身の作」なのか、どこを頑張っているのかをいくつかご紹介します。
①厳格なポイント操作
ポイントシステムの扱うポイントはお金に近しい概念ですので、金融機関と同様の厳格な設計・実装を行いました。金融系のシステムでは当然ではありますが、『すべてのポイント操作は成功か失敗の何れかであり中間はない』(アトミック性と言います)という設計に基づいています。また、同時並行でポイント付与の一括処理や店舗アプリ、管理画面からのポイント操作が行われても、安全に残高を更新し確実に履歴を残す設計としています。
②複数のポイント種類に対応
大手のポイント事業者は複数のポイントを並行して運用していることをご存知でしょうか。例えばお買い物に対して通常ポイントが付与されるほかに、何かのイベントで期限付きのボーナスポイントが付与されたりします。また、ボーナスポイントは利用できる店舗が限定されることもあるかと思います。これはポイントを戦略的なマーケティングツールとして活用するためです。もらったポイントが特定の店で使えるなら、その店への送客効果があるのです。
Cardfeelは、同時並行で複数のポイント種類を運用できるようにしました。ポイントの有効期限は「獲得のX年後の年末まで有効」や「ポイント操作毎に自動延長」など複数のタイプを用意。ポイント種類毎の利用可能店舗は店舗をグルーピングしたうえでグループ毎に設定できます。企業のマーケ戦略の一環として、運用開始後にポイントの種類を増やし、その企業ならではのポイント施策を実行できるようにしています。
③過去の計上データを投入可能
前月までの過去日時を指定したポイント操作を可能としました。指定された過去日時から現在までに別のポイント操作が行われているとき、そのポイント操作は一度巻き戻して再計算する仕組みです。例えば過去データの追加投入で会員ランクに変動がある場合、投入後の正しいランクでポイントを再計算します。システム間連携を行う場合、障害対策を考慮する必要があるのですが、障害復旧が数日遅れてポイント操作が数日遅れた場合でも正しいポイント付与を行えます。
購買金額や獲得ポイント数により会員ランクが決定し、会員ランクによりポイント付与レートが異なるシステムの場合、障害対策を考慮するためにランク決定は判定期間が完了してからとするシステムが多いのですが、これでは顧客の気持ちが離れてしまいます。やはりランクアップは速やかに行って顧客の心を獲得すべきです。Cardfeelは前述の過去データ投入を可能にすることにより、理想的な運用ができるようにしました。
④大量のプッシュ通知に対応
Cardfeelには条件指定により(もちろん全員宛も可能です)ニュースやクーポンを発行でき、また発行時にプッシュ通知を送信できます。プッシュ通知は短時間に大量の送信が可能なように、送信ロジックを自作しています。(正確にはApple社、Google社のサーバーを経由します)
短時間に大量のプッシュ通知を送信し利用者がそれに反応してアプリを操作すると、会員アプリは表示すべき情報を取得するために、サーバーを呼び出します。Cardfeelでは、処理が遅延しアプリのレスポンスが悪化しないようにサーバー側の仕組みを最適化して、より負荷を低く保つようにサーバー処理を実装しています。これによりCardfeelは大量のアプリ会員に対して、より低いランニングコストでの運用を実現しています。(低コストについては当社比ではありますが、自信がある部分です)
以上、Cardfeelが「渾身の作」と言える理由をいくつか紹介しましたが、他にも沢山の特徴を備えています。それはまた別のブログ等で紹介致します。