東都水産株式会社 様
電算部 電算課 課長 斉藤全紀氏
取引業者用のWebシステムをリニューアル
社内スタッフがメンテナンスできる、フットワークの軽いシステムに改修
Mission ミッション
老朽化したサーバー機更新にあわせて、Webシステムも改修したい
社内スタッフが臨機応変に改変できるシステムにしたい
東京の魚河岸「築地市場」に本社を置く東都水産は、昭和23年に設立した老舗の水産会社である。30年ほど前から積極的にITを推進しており、今は2002年に構築したシステムを運用している。
しかしサーバー機の老朽化や新しい時代のITへの対応するために、サーバー機の入れ替えと同時にシステム改修を検討することになった。
電算部ではこれを機に、社内スタッフでメンテナンスできるシステムに変えたいと考えた。従来のシステムは細かい改変を加えるにも、開発業者と仕様書を作りながら開発していく必要があり、工数と時間、コストが余計に掛かっていた。そこにメスを入れて、必要に応じて細かい改変が可能なフットワークの軽いシステムを実現したかったのである。
Solution ソリューション
Javaで構築したシステムを.netで再構築
詳細なコメント付きのソースや資料を納品することで、社内開発も可能に
同社が取りかかったのは、取引業者用に設置したWebシステムの改修だ。社外の業者が過去の取引内容を確認できる「東都水産インターネット問い合わせサービス」のリニューアルである。このシステムはJavaで構築したものだったが、社内にJavaを扱えるスタッフがいなかった。そこで社内にスキルのある.netで作り直すことを検討した。 その開発を担当したのがコンポーネントデザインである。コンポーネントデザインは、従来と同様のシステムを.netで再構築し、ソースや開発時に作った資料なども納品することで、同社がその後のメンテナンスを独力でできるようにした。 合わせて使い勝手を良くするためのユーザビリティの向上にも力を入れた。
求められていたのは、システムを自分たちでメンテナンスできる安心感
東都水産が社外の取引業者向けに公開しているのが、「東都水産インターネット問い合わせサービス」である。
競りで価格を決めるという商品の特性上、価格は時価になる。同じ相手でも取引のたびに価格が違うので、以前は過去の取引について問い合わせがあったとき電話やFAXを用いて返答していた。このシステムは、その負担を軽減するためにインターネットを用いて取引先が自分で確認できるようにしたものである。
ただ10年ほど前に構築しただけに、機能改善を希望する声が大きくなっていた。そこでハードウエア入れ替えにともない機能の見直しをしたいと考えたのである。 電算部 電算課 課長の斉藤 全紀氏は、システムに手を入れるにあたって「細かい改変は自分たちでできるようにしたい」と考えた。
図: 「買上情報問い合わせ内容」の画面
改修にあたって、取引期間、ページ遷移などが自由に設定できるようユーザビリティも改善した。
発注側の明確な方針とコンポーネントデザインの自由な提案が、開発言語の壁を超えた
このシステムは、社内基幹システムにある取引データベースを参照して、取引業者の求める内容を表示し、帳票を印刷する機能を持っている。「構築当時は良かったのですが、使っているうちに原産地を表示させたいなどの要望が上がってきました」という。
しかし実現しようとするといちいち業者に依頼する必要があり、手間やコストが掛かるのが負担だった。システムがJavaで構築されているために社内スタッフは手を加えることができなかったためである。
「.netであれば社内にもスキルがあります。せっかく改修するのであれば、.netで作り直したい。そう思ったのですが、元の業者に話をしたところ、大がかりな提案をされてしまい、意外にコストが掛かることがわかりました。そこにコンポーネントデザインから提案があったのです。」
この提案の内容を聞き、斉藤氏は「コンポーネントデザインの知識と提案の幅広さに信頼を感じた」という。ほかの開発業者は、自社の持っているソリューションを全面に出して提案してくるのに対して、コンポーネントデザインはクライアントの要望に適した提案をしてくる。場合によってはフリーソフトを組み合わせてコストを抑える案も持ってきた。
「いろいろな引き出しを持っていることがわかったので、私たちは、これが実現できれば後はお任せ、という依頼ができました」
コンポーネントデザインの担当者も「東都水産様は、方針が明確でしたから、スムーズに進められました」と語っている。開発言語が違うので作業はゼロからの開発と同じだが、ゼロからの開発となると要件定義の段階で何度もやり直すことが普通だ。また開発言語が替わると、まったく同じ処理が再現できない、まったく同じレイアウトの帳票が作れないなどの壁がある。しかし「東都水産様は、2002年に構築したものと同じことができ、エンドユーザーが困らなければ多少違っていてもかまわないと言ってくださったので、逆にこちらからいろいろな提案ができました」
ユーザビリティを向上させる提案ができたのも、自由な提案が許されたことが大きい。
ソースの詳細なコメントを参照に、社内スタッフでシステムをメンテナンスできる体制が確立
斉藤氏は当初、システムの一部だけを別の開発業者に依頼することに不安があったという。 「2002年に頼んだ業者は当社のインフラも含めてシステムを構築したので、一部だけとはいえ違う業者に頼むことに不安がありました。しかし今回の経験でその不安は解消されました。ほかにもシステムに手を加えたい箇所、新たに付け加えたい機能などがありますので、検討したいと思います」
また納品時にコンポーネントデザインは、ソースや資料も提供している。
「ソースには詳細なコメントが添えられていて、どんな処理がどこで行われているかがよくわかりました。運用後すでにいくつか、私たちで手を加えた箇所もあります。おかげで要望を受けてすぐに対応できるようにありました。信頼してコンポーネントデザインに発注してよかったと思っています」。
企業プロフィール 社名: 東都水産株式会社 設立: 昭和23年3月 資本金: 2,376百万円 所在: 東京都中央区 東京都中央卸売市場の卸会社として昭和23年に設立され、食生活に直接つながる生鮮・冷凍魚介類から加工水産物に至る全商品の集荷・販売を業務としている。また東京証券取引所の一部上場企業でもある。 |